檄!電脳雑戯団

劉秋華さん投稿作品


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〜 from sentimental Graffiti 〜

 「いらっしゃいませ〜!」

  横浜伊勢崎町。ここにあるファミレス「ボナサン」は、ウェイトレスの制服の可愛さと中身のレベ

 ルの高さで男女双方から人気の有る店である。無論、値段もリーズナブルである。

 「ようこそボナサンへ、お客様一名様ですか?あっ…」

  いつもと変わらず仕事をする明日香は入って来た客を見て小さく驚きの声を上げた。

 「久しぶり〜。いつ来たの?」

 「ついさっきかな」

  客は明日香の友人の葵だった。

 「会うのは久しぶりだよね〜」

  明日香はつい仕事を忘れて話しこもうとする。

 「そうだね、横浜に来るのは久しぶり…か」

 「近いんだからもっと来てくれればいいのに」

  明日香は少し拗ねたような顔をする。

 「ごめん、バイトとか忙しくてさ」

  バイトと言う言葉に明日香は自分の今何をするかを思い出す。

 「それじゃあ仕方ないよね、でも会えて嬉しい」

  明日香の表情が一気に営業スマイルに戻る。

 「一名様、ご案内〜」

  言って明日香は葵に奥の一人用のテーブルを指し示しのだった。

  

 「でも、どうしたの突然」

  水をテーブルに置きながら明日香は葵に尋ねた。

 「いやね、明日香の制服姿が見たくなってさ」

  水を一口飲んで葵が答える。

 「本当?」

 「ああ、最近よく電話してたしたしね」

  明日香は電話という単語に一瞬反応する。

 「それで、今日はバイトが休みだから横浜に出てきたって訳」

 「そっか。ところで、ご注文は何にします」

  話が長くなるのを恐れるかのように明日香はメニューを葵の前に置いた。

 「じゃ、コーヒーを一杯。砂糖も何も無しでね」

 「かしこまりました」

  メニューをそのまま受け取ると、明日香は席を離れた。

  

 「お待ちどうさま」

  5分ほど経って、明日香がコーヒーを運んできた。

 「あ、ありがとう」

  傍らにあった「ボナサン新メニュー」と書かれた紙を見ていた葵が明日香の方を向く。

 「でも、ごめんね。今日来るんだったらバイト休みにしておいたのに」

 「いや、いいんだ。言ったろ、明日香の制服が見たいって」

  葵は出されたコーヒーを口に運ぶ。

 「でも…」

  明日香は何か言いたそうな顔をした。

 「ん?どうしたの」

 「ううん、何でもない」

  葵の視線を感じて明日香は頭を振る。

 「もしかして、一昨日の電話の件…?」

  葵が「電話」という単語を再び口にした瞬間、明日香の顔が心なしか赤くなった。

 「あれはびっくりしたよ。だって、突然「電話越しにHしよう」って言ってくるからさ」

 「だめ!」

  それほど大きくない葵の声を掻き消すように明日香は言った。

 「ごめん…でも言わないで…」

  葵の耳元で明日香は言った。

 「でも、本当にびっくりしたんだって。でも、明日香のエッチな声が聞けて俺としては役得と言うか、

よかった」

  明日香の顔が更に赤くなった。

 (恥ずかしいよぉ…)

  明日香は何も言えなくなっていた。葵の座る席は店の一番奥、他の客からも店の他の従業員からも

 比較的死角となっている場所だ。しかも、今は夜の忙しい前の最も客が少ない時間で、葵の言葉を聞

 く客は周りにはいない。

 「明日香も、気持ち良かったんだよね?」

  明日香はすっかりパニックになってボーっと立っていたが、その質問に現実に戻された。

 

  確かに明日香は最近欲求不満だった。テストの点が悪かったり、仕事が忙しかったりして大分スト

 レスが溜まっていたからだ。まして密か思いを寄せる葵とはニヶ月以上もあってはおらず、精神的、 

 そして毎晩オナニーをしているはずなのに肉体的にもなぜか満たされてはいなかった。

 「もしもし…」

  そして仕事で注意された一昨日、明日香のストレスはピークに達した。いつものように優しく愚痴

 を聞いてくれる葵に酒を飲んだ勢いで罵詈雑言を言った挙句、テレフォンセックスを持ちかけたので

 ある。

 「ううん…ああっ…」

  かなり飲んでいたので断片的な記憶しかなかったが、かなり乱れていたのは確かだった。

 「ああん…」

  片思いだが体を重ねたことのある葵が自分を触ってる、その思いだけで明日香の欲求は満たされて

 いく思いがしていた。

 

 「うん…」

  明日香は気まずく答える。

 「別に怒ったりしていないから」

 「本当?」

  明日香は少し驚いた。その日、明日香は勝手にイってしまった挙句、眠くなって電話を切ってし

 まっていたからだ。

 だが、葵は優しく明日香に微笑んでいる。

 「ああ。あの後俺も眠くなったから長電話は多分出来なかったしね」

 「ごめん…」

  明日香は素直に謝った。

 「でもさ…」

 「何…?」

  葵の話には続きがあるようだった。

 「あの時話してた事、本当…?」

 「えっ…?」

  葵の問に明日香は言葉を詰まらせた。その日の電話の内容は言った当人も酔っていて殆ど覚えてい

 なかったからだ。

 (私…あれ以上恥ずかしいこと…言ったのかな…)

 「あ、やっぱり覚えてないよね…。じゃいいよ」

  返答に窮する明日香を見て、葵は言葉を切ろうとした。

 「私…、何て言ったの…?」

  だが、明日香は細い声で尋ねた。

  …………

  二人の間に沈黙が走る。

 「ねえ、教えて。私が何て言ったか…」

  そう言うと、明日香は葵の目をじっと見つめた。その視線にはある種覚悟のようなものが込められ

 ていた。

 「…本当に、いいの?」

  再び訪れた短い沈黙の後、発せられた葵の言葉に明日香は首を縦に振って答えた。

 「わかった、言うよ」

  葵は乾いた唇を湿らすために冷めたコーヒーを少し口にした。

 「今日、自分の店に来たら、店内で制服のままフェラするって…」

  ……………

  三度、今度は気まずさの沈黙が走る。

 「はは、酔っての話だから無論冗談だよね…」

  葵が誤魔化すように軽く笑う。

 「…わかった…」

  その声の中に、それまで黙っていた明日香の小さな声がしたのを葵は気がつかなかった。だが、

 明日香が椅子に斜めに座っている自分の前にしゃがみこんで手を伸ばしてきたことで明日香が何をし

 ようとしているかに気がついた。

 「あ、明日香」

  慌てて止めようとするが、明日香の細い指は既にズボンのジッパーに手をかけていた。

 「駄目だって…」

  葵は明日香の手を取って止めさせようとした。だが、明日香は止めようとしない。

 「…いいの…してあげる…」

  それどころか、明日香は顔を近づけた葵の唇にキスをしてきた。

  柔らかい唇の感触に一瞬驚いて葵の手に込めた力が鈍る。その隙に、明日香の手はジッパーを下ろ

 してトランクス越しに葵のペニスを擦り始めた。

 「…明日香…」

  葵は何とか唇を離して明日香の名を否定の意を込めて呼んだ。

 「…ううん…悪いのは私だから…私が責任…取る。それに…」

  明日香の愛撫によって葵のペニスは徐々に固くなってきていた。

 「私じゃ…嫌?」

  葵は答えられなかった。変わりに緊張しながら周りを見まわす。人影の殆ど無い店内は従業員の動

 きも見えず、有線だけが流行りの曲を流していた。

  葵が答えないのを見て、明日香はトランクスの窓からゆっくりと固くなったモノを取りだし、迷う

 ことなく口に含んだ。

 「ん…んん…」

  口腔の中で唾液をゆっくりと葵のペニスになすりつけ、ゆっくりと動く。

 「あっ…」

  公共の場でという背徳感からくる緊張と、明日香の口腔の温かさが快感となって葵の脳を直撃する。

 「…葵の…久しぶり・・・」

  数度動いて、明日香は一度ペニスを口から離し、割れ目に優しくキスをした。

 「それにしても…大きい…ん…」

  再びペニスをヌルヌル感が包む。

 「ん…んん…んぐ…」

  今度はやや早めに明日香は前後に動いた。

 「ん…ううん…ん…」

  時折舌の先でカリを舐め、裏スジを丹念に往復する。

 「あん…うん…」

  葵はただ押し寄せる快感に息を殺している。

 「ううん…ふっ…あぁ…」

  その眼前で明日香は艶かしい表情を浮かべて一心不乱にフェラチオを続けていた。平時は可愛さを

 強調したデザインの制服がこの時ばかりはとてもHに見える。

 

 「んん…すごい…」

 「うっ…あっ」

  明日香がひと舐めするたびに葵のペニスは射精感を高まらせていった。

 「ん…あん…んん…」

 「…明日香…」

  我慢の限界を感じて葵は明日香の目を見た。

 「んん…ん…」

  明日香はその視線に微笑を一つ返すと、葵のペニスを一気に吸い上げた。

 「うあっ…」

  瞬間、葵は明日香の口腔に精を解き放った。

 「ううっ…」

  その量の多さに明日香は一瞬顔をしかめたが、吐き出すこともなく全てを飲み干した。

 「…気持ち…良かった?」

  葵のペニスから丹念に精を舐め取ると、明日香は自分が舐めていたそれをズボンの中に元通りにし

 まい、葵に尋ねた。

 「うん…」

  葵は苦笑し、冷や汗をたらしながらも首を縦に振った。

 「よかった」

  明日香は嬉しそうに微笑んだ。

 「でも…何で…?」

 「言ったでしょ?自分の言ったことには責任取るって」

 「…」

  葵は名にも言わなかった。この行為を期待して横浜に来たのも事実だったからだ。

 「でね、自分の言ったことに責任をとるついで…」

  明日香はそう言うと再び葵に軽いキスをした。

 「今夜、ホテル…行こう…」

 「えっ…」

 「自分ばっかり気持ちいい思いするわけ?」

 「いや…そうじゃなくて」

 「じゃ、いいでしょ」

 「うん」

  葵は渋々首を縦に振った。

 「じゃ、決まり。今日はバイトが七時までだから、その頃に店の前でね」

  そこまで言って、明日香は急いで店の奥へと戻っていった。

 「ふう…」

  脱力感の中、葵は残ったコーヒーを一気に流し込んだ。それはとても苦かった。

 「…もつかな…」

  そして伝票を持つと静かに立ち上がった。

 「…うん?」

  不意に時計に目をやる。長く感じた時間は十分も経ってはいなかった。

 (…俺が早いのかな…明日香が上手いのかな…)

  葵の胸中は少し複雑だった。

 

 

 

END


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